FAQ、第1章関連 (2013 Jun.21 更新)


Q: 星は時間が経つと動き、位置が変わるので、空の区画整理の範囲も動いてしまい、天球も変わって
 しまうのでは?
A: 区画は「赤経・赤緯」できめるので、区画は変わりませんが、星が動いてはみ出すことはあります。
 また、「歳差」で説明するように、「赤経・赤緯」も動いてゆくので、天球(すなわち天の北極や天の
 赤道)と境界がずれる、ということはあります。(星図を良く見ると、すでに少しずれています。)

Q:「時分秒(h,m,s)」はどういうときに使うか?
A: 実際的にも学問的にも、天球の経度くらいしか使っていません。天球の場合は、時間で2時間後、3時
 間後に見える星座の、赤経が +2h, +3h となるので便利です。

Q: 星座の境界線の引き方の基準はどうなっているのだろうか?
A: 時圏(縦線)・赤緯圏(横線)を使う、という基準以外は、線で結んだ星座をうまく取り込むようにする、
 境界上に大きな星がくることのないようにする、というくらいで、あとは適当です。

Q: 地球の南緯をマイナスにすると南半球の人から文句が出るというのは本当か?
A: 直接聞いたわけではありませんが、南半球の人々は、北を上にした地図にも反対で、オーストラリア
 に行くと、南を上にした地図を売っているということです。

Q: 地球は自転しているけれど、どうしてコマのようにとまってしまわないのか?無重力空間だから?
 それとも遠い未来には止まるのだろうか?
A: 無重力というのでなく、高真空空間で摩擦がないからです。摩擦がなければ、回転する物体はいつまで
 も回っているという、宇宙の大法則があります。「角運動量保存の法則」といいます。

Q: 星占いがずれて「へびつかい座」ができるという噂を聞きました。この説は正しいのでしょうか?
A: 授業で配布した星図を見ると、国際天文学連合の決めた区画では、確かに「へびつかい座」が黄道に割り
 込んでいます(さそり座の後)。これを入れた「13星座の星占い」という本も出ていますが、これが当たる
 か当たらないかは、これから1000年くらいかけて検証しないといけないでしょう。

Q: 地軸は 23.4°傾いていると今まで教えられていましたが、授業で 23.5°と言ったのはどうしてか?
A: 正確には 23.43929...°です。おおまかに「23度半」と覚えたりします。

Q: 暦(こよみ)の季節と今の季節の差は、歳差によるものですか?
A: いいえ、歳差では地軸の傾きは変わらないので、季節には関係ありません。ただ、季節に見える星座が
 変わってきます。(夏にオリオン座とか)

Q:「地球ゴマ」を 90°倒しても落ちないのはなぜですか?
A: 物理学に「角運動量保存の法則」というのがあって、回転しているものは倒そうとすると首を振って
 絶対倒れない、という反応をします。皆さんもこれを見習ってがんばりましょう。

Q: 星座が当てはまる日と見える日が違うのはなぜですか?
A: よく気がつきました。星占いの当てはまる日と、見やすい日とは大きく違います。(例、さそり座の
 生まれは10〜11月だが、見やすい日は7月23日。)星占いの当てはまる日には、ちょうど太陽がその星座
 にいる日なので、星座は見えません。太陽が反対側に来たときに良く見えるわけですね。