第4章 恒星界の規則性 (2013 Jun.21 更新)


概要  前章でみた多様な星々について、温度・明るさ・質量などの多様性の関係をグラフに表し、その 中から恒星の世界の規則性を見つけてゆく。特に、星の表面温度と明るさとの関係を示す「HR図」 について、詳しく説明する。恒星の世界には明らかな規則性があり、これらを手がかりに「星とは 何か」という研究が進展する。

図の出典 図4.1 脈動変光星の周期−光度関係(pdf図) 図4.2 南天の天の川と大小マゼラン星雲    (NASA、Astronomy Pictures on the Day より) 図4.3 『理科年表』(平成20年) のデータを用いて作成した HR図(pdf図) 図4.4 補正を施した温度−光度関係(pdf図) 図4.5 散開星団「プレセペ」のHR図(pdf図) 図4.6 いろいろな散開星団のHR図(pdf図) 図4.7 球状星団のHR図(ApJ, Vol.135, p311, 1962 より) 図4.8 ヒッパルコス衛星の精密HR図(ヒッパルコス/タイコ計画のページより) 図4.9 質量−光度関係(pdf図) 図4.10 人間における体重と明るさの関係(pdf図
関連参考資料(本文関連ページ) HR図作成用の、スペクトル型−絶対等級データ(平成21年版理科年表より作成、csv形式)(p62)   (同上、説明)
問題 *HR図上に表われる恒星の分布について、これを3つに分類して、それぞれの特徴を説明せよ。
[解答例]   HR図は,横軸にスペクトル型,縦軸に絶対等級を取って恒星をプロットした図である.  スペクトル型は恒星の表面温度を表し,絶対等級は恒星からの放出エネルギー量を表すの  で,HR図は恒星の表面温度と放出エネルギー量の関係を表した図であるといえる.   HR図の左上から右下にかけて一群の星の集まりが見られる。これを主系列と呼び、  また主系列を構成する星を主系列星と呼ぶ。主系列は星の一つの規則性を示すが、  これは「高温の星は明るく、低温の星は暗い」という法則性である。物理学的には、高温の  物体は大きなエネルギーを放射するので、高温の星が明るいのは自明であるが、これは星の  大きさがあまり違わないということを前提とする。したがって、主系列星はだいたい粒  ぞろいである、と言ってよい。   そうすると、主系列から外れた右上の星の一群は「温度が低いのに明るい、すなわち大き  さが大きい星」ということになり、巨星に分類される。特に右上の部分の星は赤色巨星  と呼ばれる。(左上の星を青色巨星ということもある。)逆に左下の星は「温度が高いのに  暗い、すなわち大きさが小さい」ということになり、これらは矮星に分類される。特に左下  の星の一群は白色矮星と呼ばれる.(右下の主系列下部の星を赤色矮星ということもある。)
*星団の星についてHR図を作成すると、どのようなメリットがあるか、またどのような特徴が見え  てくるか。 *[計算実習問題]  HR図作成用の、スペクトル型−絶対等級データ(上記参照)を利用、表計算ソフトを用いてHR図を  作成し、恒星の名称を記入する。 (以下準備中)