第1章 現代天文学と星座 (2013 Jun.21 更新)


概要  理科年表の「星座」の表を題材として、天文学の一般的な基礎知識(天球と赤経・赤緯など)を 説明し、現代天文学における星座の意味・役割などを解説する。また、星占いとの関係から、地球 の「歳差」についても解説。

図の出典 図1.1 『理科年表』星座の表の冒頭 図1.2 天球と赤道・黄道・春分点等(pdf図) 図1.3 その名も「地球ゴマ」の、首振り運動(pdf図)    (Wikipedia による動画) 図1.4 天球と天頂、子午線、天体の子午線通過(pdf図
関連参考資料(本文関連ページ) *国際天文学連合ホームページ(英文)(p2) *国際天文学連合による星座の解説(英文)(p2) *同、冥王星と新しい太陽系の解説(英文)(p2) *中山茂『占星術』、紀伊国屋書店(p5-6) *国立科学博物館、宇宙の質問箱、星座編
問題(140字程度以上で説明せよ) *天球の座標(赤経・赤緯)と地球の座標(経緯度)の違いは何か。 *「歳差」とはどのような現象か。またそれはどのような原理で起こるか。 *現代天文学において、「星座」はどのような意味・役割を持つか。 *黄道上の4つの重要な点について説明せよ。
[解答例] 「黄道」とは,天球上の太陽の通り道であり,太陽はここを1年で1周する. また,黄道は「天の赤道」に対し約23.5度傾いているので,太陽は赤緯 +23.5度から -23.5度の間を行ったり来たりする.そしてこれによって地球に「季節」が生じる. 太陽が赤緯の高いところに来ると,北半球は夏であり,最も高い +23.5度に達した日が 「夏至」である.同様に,最も低い赤緯の日が「冬至」,ちょうど中間の赤緯 0度 (すなわち天の赤道上)にある日が「春分」「秋分」である. 黄道上のこれらの位置を,それぞれ「夏至点」「冬至点」「春分点」「秋分点」と呼ぶ. これらの内「春分点」は,天球上の赤経座標の「原点」となる最も重要な点である. ( > 天球の図 参照)
*「天頂」、「子午線」について説明せよ。また、天体は「子午線通過」のときに最も  観察しやすいとされるが、それはなぜか。 *星座の表の、いて座、うお座、おうし座などの「見やすい時期」と、星占いの「生月日」  とが大きくずれているのはなぜか。